ソムリエ 磧本修二氏
日本のワインレストランの草分け「ミスター・スタンプス・ワインガーデン」のオーナーソムリエ。フランス料理からワインの世界に進んだ、日本ソムリエ界の重鎮的存在。
- Q.よく澱(おり)という言葉を聞きますが、澱って何?身体にだいじょうぶ?
- Q.酒石(しゅせき)って?
- Q.コルクや瓶にカビがついていることがあるが、だいじょうぶ?
- Q.コルクを抜くときに失敗…何かよい方法は?
- Q.飲み切れないワインをうまく保存するには?
- Q.ワインと料理を合わせるコツは?
- Q.ワインを楽しむ順序は?
- Q.ワインを美味しくするデキャンタージュとスワリングって?
- Q.ワインの飲み頃温度は?
- Q.専用ワイングラスがあるのは、なぜ?
- Q.ワインは古いほど良い?
- Q.ヴィンテージワインはいつの間にか量が少なくなる?
- Q.コルクからワインが染み出して、液漏れしていたら…?
- Q.ワインの状態・味がおかしい、ワインのコルクに異常がある、ブショネしている、と感じたら…?
よく澱(おり)という言葉を聞きますが、澱って何?
身体にだいじょうぶ?
澱の成分は、カルシウム、カリウム、酒石酸、タンパク質、ポリフェノールなどです。
年代物の赤ワイン等ではゴミのようなものがボトルの底周辺に漂っていることがあります。澱と呼ばれ、赤ワインの中のタンニンやポリフェノール、たんぱくといった成分が熟成中に結合してできたもの。いわばタンニンの塊のようなものでとても渋いですが、身体に悪いということはありません。
酒石(しゅせき)って?
主に酒石酸がミネラル分(カリウム・カルシウム)と結合し、結晶化したものです。白ワインだけでなく、赤ワインにも見られ、品質が良いほど出やすいとされます。
白ワインの場合は澱ではなく、ガラスの破片のようなものがキラっと光る場合があります。ワインの成分の酒石酸がカリウムなどのミネラル分と結合してできた結晶(酒石)で、別名「ワインのダイヤモンド」と呼ばれているんですよ。赤ワインでも時々見られ、その場合は赤紫や琥珀色の結晶ができます。澱や酒石があった場合は、ボトルを動かさないで静かに置いておくと下に沈みますから、それから飲んでくださいね。
コルクや瓶にカビがついていることがあるが、
だいじょうぶ?
ワインは湿度の高い場所で保管されています。まさにカビの発生しやすい環境。キャップシールをはがして、コルクやボトルにカビが生えていても、安心してくださいね。それはワインが良い環境にあった証拠ですから。コルクについているカビは布やティッシュで拭きとって、栓を抜いてください。
コルクを抜くときに失敗…
何かよい方法は?
ワインオープナーにはいろいろな種類がありますが、みなさんは、コルクがうまく抜けなかったり、途中で折れてしまったことはありませんか?
原因のひとつがコルクの乾燥。ワインを開ける前に1時間ほどボトルを横にしておくと、コルクが適度に湿って抜けやすくなります。また、コルクスクリューが垂直に入っていなかったり、抜栓の力が垂直方向に加わっていないためスムーズに抜けないこともありますから、注意しましょう。
栓を開けるのに自信のない方は、ダブルハンドルやスクリュープル型のオープナーが簡単なのでおすすめです。また、「コルクリフターペンギン」など、いろいろなグッズもあります。運悪くコルクが中に落ちた場合には、デキャンタに移し替えたり、茶漉しを活用するとよいですよ。
飲み切れないワインをうまく保存するには?
ワインがどうしても残ってしまった場合は、きっちり栓をして3日ほどで飲んでくださいね。それ以上たつときは、ボトル内の空気を抜いて保存できるワインストッパー(ワインセーバー)や、不活性ガス(体に無害でワインにも溶けない)で空気と触れさせないようにする保存グッズを使うといいですよ。とは言っても、開けたての状態を保てるわけではないので、半月くらいまでには飲みきりましょう。
スクリュー・キャップ
構造が簡単で使いやすいスクリューキャップ。キャップをきちんとしめるのは、どういう人にもやさしい保存法です。
プライベート プリザーブ
飲みかけのワインボトルに注入するだけで、ワインの酸化や劣化から守ってくれます。体に無害なのはもちろんのこと、ワインにも溶けない不活性ガスです。
バキュバン
簡単な操作でボトル内の空気をほとんど抜き取り、ワインの酸化を防いで、ワインを新鮮なまま保存してくれます。
ワインと料理を合わせるコツは?
1.味のイメージが似ているワインと料理を合わせる。
料理があっさり、さっぱりしたイメージなら、ライトな早飲みタイプを。しっかり、こってりしたイメージなら、コクのある熟成タイプを。
2.ワインの産地の素材や料理を合わせる。
ブルゴーニュの郷土料理にはブルゴーニュのワインというように、同じ産地のもの同士を組み合わせる。
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フルボディの赤ワイン
肉料理のなかでも、煮込み料理などじっくりと調理したもの、濃厚な味わいのもの、スパイスを効かせたものと特に相性抜群。脂身が多い肉にも合います。
●ビーフシチュー、ビーフステーキ、鴨肉のロースト、すき焼きなど。 -
ミディアムボディの赤ワイン
トマトベースの肉料理やあっさりした味付けの肉料理、炒めたり茹でたりする軽い調理法の肉料理にマッチ。比較的濃厚な味付けの魚料理に合わせるのもおすすめ。
●鶏肉の照り焼き、トマトソースのハンバーグ、ブイヤベースなど -
辛口熟成タイプの白ワイン
魚料理のなかでも味わいや風味が濃厚なものには熟成タイプが合います。
さっぱりした味わいの鶏肉料理に合わせるのも良いでしょう。
●バターソースの魚料理やクリームソースの甲殻類(エビなど)料理、焼き鶏(塩)など -
辛口早飲みタイプの白ワイン
さっぱりした味わいの魚料理や野菜料理には、フレッシュな早飲みタイプがマッチ。シンプルな調理法の料理にも合います。
●魚介のマリネ、サラダ、寿司、生ガキなど
〈合うソース〉酸味の効いたあっさり味のソース(ex.レモンを使ったソース) -
甘口白ワイン
極甘口ワインはデザートやフルーツとともに。コクがある濃厚な素材ともマッチします。フルーティな甘口ワインは和食や中華料理と合わせるのがおすすめ。
●フォアグラのテリーヌ(貴腐ワイン)、リンゴとクルミのサラダなど -
ロゼワイン
肉料理から魚料理まで、いろいろな料理と合わせやすいワインです。
トマトソースやマヨネーズソースなどの料理との相性も抜群です。
●トマトソースのパスタ、サンドイッチ、シュリンプカクテル、ブイヤベースなど -
スパークリングワイン
いろいろなタイプの料理と合わせられますが、なかでもシーフードとの相性は抜群。また、和食やデザートとも素晴らしく調和します。
●キャビア、スモークサーモン、お刺身、寿司、ワサビの効いた料理など
ワインを楽しむ順序は?
家庭でワインを楽しむ時、どんなワインを用意すればいいでしょうか。
毎日の食卓で楽しむなら、赤ワインか白ワインを1本で十分でしょう。
でも、ワインが主役のパーティなら、スパークリング、白ワイン、赤ワインを揃えておきたいものです。さらに食後酒として甘口白ワインがあれば完璧です!
ところで、何本かのワインを飲む時には、飲む順番にも注意しましょう。
今回ご紹介しているのはその基本ルール。これは絶対ではありませんが、飲む順番により香りや味わいの感じ方は変わりますから、ぜひ頭に入れておいてください。
ワインを美味しくする
デキャンタージュとスワリングって?
ワインをデキャンタに開けたり、テイスティングの際にグラスをくるくる回すのは、「ワインを空気と接触させて開かせるため」なんですよ。栓を抜いた直後より、時間が少し経ったワインの方が美味しかったという体験は、多くの方がお持ちかと思います。
あれは、ボトルのなかで眠っていたワインが”空気と触れることによって目覚めた”からなのです。ワインを目覚めさせてより美味しく味わうには、デキャンタがあれば理想ですが、ない場合はグラスをくるくる回して、ワインを空気と触れさせてみてくださいね。閉じていた香りも空気に触れさせることで、華やかに広がります。
ちなみに、グラスを回すことをスワリングといいます。
ワインの飲み頃温度は?
ワインは温度によって味わいや香りの感じ方が変わります。それぞれのワインに最適な温度で飲めば、味わいや香りを存分に楽しむことができます。ところで、よく「赤ワインは室温で」といわれますが、気温の変動が大きい日本では季節により室温も変わります。室温が高い場合は、一度ワインクーラーや冷蔵庫で冷やしてから、室温になじませて温度を調節したほうが良いでしょう。
専用ワイングラスがあるのは、なぜ?
ワイングラスは、ワインがもつ独特の個性を引き出す道具ですから、ワインのタイプによって形が違っています。ボルドーのグラスは先が少しすぼまっていて、タンニンの渋みや苦味が強いワインをまろやかに飲みたい場合に適しています。
ワインが舌の酸味を感じる部分に触れるように流れ込むため、渋みを抑えて果実のフルーティな味わいを楽しめます。
一方、ブルゴーニュグラスはへん平で、グラスに膨らみがあるのが特長。大きなボウルでワインの複雑な香りを混ぜてひとつにまとめるのにちょうどよく、ピノ・ノワールを楽しみたいときに適しています。
ワインは古いほど良い?
グレートイヤーといわれる良年に造られたワインの場合、10~30年の熟成を待って飲むと魅力が増すものもあります。いわゆるヴィンテージワインです。一方で、若飲みタイプのワインもあり、これらは、早めに飲んだほうが、ワイン本来の魅力が味わえます。
ヴィンテージワインはいつの間にか量が少なくなる?
長い熟成を経たワインでは、ワインの量が年月とともに少しずつ目減りする場合があります。
ワインはコルクで密栓されていて外気を遮断していますので、ワインが外気と呼吸することはまずないと最近では言われています。でも酸素分子の半分ほどの大きさである水の分子は、年を経て弾力を失ったコルクの隙間を、時間をかけてすり抜けて蒸発しているのです。
また、ワイン自体も序所にですがコルクに染み込んでいきます。こうしてワインの量がごくわずかずつ目減りしていくのです。
目減りの量はワインの保存環境やコルクの質によって異なるので、オールドヴィンテージの状態をチェックする基準のひとつにもなっています。
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1.ハイ・フィル(HF)
瓶詰め時のワイン充レベルです。比較的若いワインの場合多く見られます。 -
2.イントゥー・ネック(IN)
熟成年数によらず、理想的な液面レベルです。 -
3.トップ・ショルダー(TS)
15年またはそれ以上経過した赤ワインに見られる液面レベルです。 -
4.アッパー・ショルダー(US)
20年以上経過した赤ワインに見られる液面レベルです。 -
5.ミッド・ショルダー(MS)
30年以上経過した赤ワインに見られる液面レベルです。
コルクからワインが染み出して、液漏れしていたら…?
ワインは急激な温度変化を嫌います。
暑い部屋におくと、噴きこぼれる場合がございます。
できるだけ早く、涼しい部屋やワインセラーなどで保管することをおすすめします。
お届けにあがりました商品は、必ずすぐに箱をあけて内容をご確認ください。
配送時のトラブル(破損、液漏れなど)がございました場合、お手数をおかけいたしますが、すぐにご連絡くださいますよう、お願い申し上げます。
(時間を置かれてしまいますと、ワインという商品の性質上、お取替え等出来ない場合がございます)
ワインの状態・味がおかしい、ワインのコルクに異常がある、
ブショネしている…?と感じたら…?
ご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。
ワインの状態を確認させて頂きますので、すぐに下記までご連絡いただけるようお願い致します。
ワインは、コルクと中身を残したまま、栓をして頂き、冷暗所に立てて保管ください。
お問い合わせ先
My Wine Club(マイワインクラブ)
※土日・祝日のお問い合わせはメールの返信にお時間をいただく場合がございます。
お電話 0120-107ー963
【受付時間】9:00~21:00※携帯電話からもご利用いただけます。(通話料 無料)