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ワインテイスティングの面白い表現用語

ソムリエなどワインのプロにとって、ワインのテイスティングは味ばかりでなく、外観や香りももちろん鑑賞対象です。しかしそれをどう伝えるかは、個人の主観やボキャブラリーで変わってしまいます。そこでソムリエの世界ではそうしたズレがないように、テイスティングの共通表現があります。なかには「こんな言い回しするの?!」というのもありますので、その一部をご紹介しましょう。

“ヤマウズラの目の色”

ロゼワインの色を例えるときの表現。ピノ・ノワールで造られたロゼや、ブラン・ド・ノワール(黒ぶどうだけで造られたスパークリングワインのこと)に主に使われるフレーズで、大体はオレンジがかった薄いロゼ色と解釈されます。
ヤマウズラは体長30cm弱の鳥類で、ウズラの卵のウズラとは違い、日本にはいません。
ヨーロッパではジビエ料理としてなじみのある鳥なので、こうした言い方ができたのかもしれませんね。

“涙ができる”

これはワインの粘性を表わし、グラスの内側を垂れる液滴のことを「涙」といいます。特にアルコール度の高いワインに見られ、「脚(レッグ)」ともいわれます。ワインの成分の中でもっとも多い水と、次に多いアルコールの蒸発する速度の違いでできる現象です。旧約聖書の箴言23章には、『酒はあかく、盃の中に泡だち、滑らかにくだる…』という一説があり、これはワインの涙のことを指しているといわれています。

“濡れた犬”

犬? しかも濡れた? と思われるかもしれませんが、ソムリエの教科書にはちゃんと載っているんですよ。 赤ワインの熟成によって出た香りを指す言い方で、樽熟期間の長いワインに見られる傾向にあります。動物を用いた香りの表現はほかにも数多くあり、変わったものでは「はつかねずみの尿」や「猫の尿」もあります。 しかし、あくまでこれらは比喩表現ですので、ソムリエがお客様に対して使うことはありません。

“ごつごつした”

岩か地面のようですが、これは赤ワインのタンニンの状態を指す表現。充分にこなれておらず角があるような感じをいい、まだ若いワインに見られます。ワインをひと口飲んでごつごつした印象を受けたときには、デキャンタージュか数時間待つかして、よく空気に触れさせると次第になめらかになります。しかしなかには、ごつごつして噛めるようなタンニンのワインが好きだという方も結構いらっしゃるんですよ。

“疲れた”

「ワインは生き物」とはよくいったもので、手荒く扱われるとワインも疲れてしまうんです。飲んだときに味のバランスが整っておらず、バラバラな印象を受けるワインをこう表現します。これは、振動や温度変化、乾燥、直射日光などで、ワインが劣化したもの。こうならないためにも、ワインは必ず冷暗所に保管しましょう。輸送による一時的な「旅疲れ」の場合は、数時間から数日休ませておけば大丈夫ですよ!

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