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ヴィンテージワインを楽しもう!

ワインにはぶどうの収穫年を表すヴィンテージがあります。これを記されているからこそできる楽しみ方というものがあります。そんなヴィンテージワインのいろいろな楽しみ方を今回はお話します。

そもそもヴィンテージってなに?

ワイン造りに使われたぶどうが収穫された年を意味しています。このヴィンテージが示されていることがワインの大きな特長です。なぜヴィンテージの表記が必要かというと、収穫された年のぶどうの出来がワインの味わいを大きく左右するからです。そしてぶどうの出来はその年の気候によって大きく影響を受けます。天候に恵まれた年はグレート・ヴィンテージやグッド・ヴィンテージ、または当たり年と呼ばれ、ワインの価格も高くなります。また10年を目安に長い熟成を経たワインはオールド・ヴィンテージと呼ばれます。

デキャンタージュの前にパニエを。

ボルドーなどのタンニン分の多いワインは長く瓶熟成すると澱が沈殿してきます。この澱を取り除くためにデキャンタージュの前にワインを立てておき、澱を完全に沈めます。さらにおすすめなのはパニエを使う方法です。パニエとは、ワインを斜めに傾けて固定するバスケットのようなもので、これを使うことによって、ワインの中の澱は瓶底の一ヵ所に集めることができ、より効果的に澱を取り除くことができるんです。

ヴィンテージワインの味わい方

当たり年のワインとはどんなワインでしょうか。良い気候条件に恵まれた年のぶどうには糖分や酸味やタンニンがよく乗っています。この糖分や酸などが溶け合ってバランスよく一体になるためにはそれなりの時間が必要になります。そして飲み頃を迎えた長期熟成ワインの味わいはというと、すべての要素がバランスよく溶け合った、とてもエレガントなものになります。酸味や甘味などに突出した部分がなくなるため、飲みなれていない人は、軽く感じたり、単調に感じたりすることもよくあります。しかし、奥に含まれた酸味と甘味、タンニンのやさしさ、複雑さにエレガントさ、そして訪れる余韻の見事さに静かに耳を澄ませてみてください。ヴィンテージワインの素晴らしさが充分に楽しめます。

出来の悪い子ほど可愛い?

フランスの生産者と話していると「○○年は確かに偉大なヴィンテージだけど、ぼくは△△年が愛おしくて仕方ないんだ」という話をよく聞きます。彼が愛おしいと話す年は別に大きな年でもない。むしろ手のかかった年です。確かにグッド・ヴィンテージは素晴らしいワインが多いですが、小さな年といってもワインが美味しくないというわけではなく、バッド・ヴィンテージではありません。小さな年といえども保存と飲み頃、料理のマッチングを間違えなければ、充分期待に応えてくれます。たとえば、特別な日にはグッド・ヴィンテージやオールド・ヴィンテージを楽しみ、そしてデイリーには小さい年のワインを楽しむと、メリハリをつけてワインを楽しむのもいかがでしょうか?

生まれ年のワインで粋なプレゼント

フランスで、こんな人と出会ったことがあります。子どもが生まれるとその年のワインを買って、行きつけのレストランに預けておくのだそうです。やがて子どもが成人を迎えたときや、卒業、結婚など、人生のイベントを迎えたときに子どもへの贈りものとして、渡すのだそうです。とても粋なプレゼントですね。これもワインにヴィンテージがあるからこそできる特別な楽しみ方ではないでしょうか。

記事監修

講師:磧本修二先生

講師:磧本修二先生
1972年渡仏、1975年にソムリエ資格を取得した後、老舗ホテルであるホテルニューオータニなどで活躍するなど日本のソムリエの第一人者のひとりとして知られます。東京・六本木に店を構える、老舗ワインレストラン『ミスタースタンプス・ワインガーデン』のオーナーソムリエとして40年以上のキャリアを持ち、豊富なワイン知識と、ユーモアあふれる語り口で人気を集めています。

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