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意外と知らない?ボジョレー・ヌーヴォー。
その美味しさのヒミツ

フランスのみならず、日本でもすっかり秋の風物詩となったボジョレー・ヌーヴォー。毎年のイベントとして、楽しみにしていらっしゃる方も多いと思います。時差の関係で本国フランスよりひと足早く飲めるのも、日本での人気にひと役買っているようです。そこでボジョレー・ヌーヴォーを、いま一度おさらい。実は、通常のワインとはまた違った魅力が隠されているんですよ!

ボジョレー・ヌーヴォーって、そもそもどういうワイン?

フランス・ブルゴーニュ地方南部にあるボジョレー地区で、その年に収穫した 「ガメイ」 というぶどう品種から造られる赤ワインのこと。 ヌーヴォー 新酒 という意味で、ボジョレーのほかにもさまざまなヌーヴォーがありますが、やはり一番有名なのは、ボジョレー・ヌーヴォーです。ガメイは他の品種に比べて早熟なので、収穫したその年にできたてワインを楽しめるボジョレー・ヌーヴォーは、 秋の収穫を祝うお祭り のような役割を果たしているんですね。

ボジョレー・ヌーヴォーは、ふつうのワインと造り方は同じ?

ボジョレー・ヌーヴォーの製法には厳しい決まりがあり、 「マセラシオン・カルボニック」 という独特な方法で造られます。ぶどうをタンクの中に房ごと入れると、ぶどう自体の重みで実がつぶれ、自然に発酵が始まります。するとタンク内に炭酸ガスが充満して、酵素の働きによって果皮の色が出やすくなるとともに、酸味が和らいでフルーティーな香りが生まれます。そのため、ボジョレー・ヌーヴォーは 通常のワインと比べて渋味が少ない、フレッシュな味わい を楽しめるんですね。

その年の出来映えの試金石?
ヌーヴォーはその年の出来映えをチェックする試飲酒でもあるので、毎年大量にワインを購入する業者などにとっては、その年の購入量を決めるための大事な指針にもなる。

ボジョレー・ヌーヴォーの美味しい飲み方は?

フレッシュな味わいが魅力ですから、 少し冷やした方がすっきりと美味しく楽しめます。 普通のワインの場合、冷やしすぎるとタンニンの渋味が強調されて飲みにくくなりますが、ボジョレー・ヌーヴォーは渋味が少ないですから、その心配はありません。 料理は何を合わせてもOK! グラスやシチュエーションにもあまりこだわらずに、お祭り気分で気軽にわいわいやるのがぴったりです。ただし、早飲みタイプのワインなので、購入後はなるべく早いうちに飲んでしまいましょうね。

ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日はなぜ11月の第3木曜なの?

1984年、フランス政府が11月の第3木曜に制定しました。それまでは、1951年制定の11月15日でした。しかし、解禁日を固定すると年によっては土・日曜になり、ワインの売れ行きに影響が出るので(フランスでは日曜は大半のお店が休み)、11月第3木曜に改定されました。それ以前の解禁日には諸説あり、11月11日だったともいわれています。この日はサン・マルタンという聖人の日だったのですが、後に11日は休戦記念日に変更されたため、その日から一番近い別の聖人の日、サン・タルベールの日である11月15日に解禁日を移したといわれています。

ボジョレー以外にも、ヌーヴォーはあるの?

もちろんあります。イタリアの新酒は 「ヴィーノ・ノヴェッロ」 といい、フランスよりも2週間ほど早い、 毎年11月6日 解禁です。ボジョレーのように限られた生産地ではなくイタリア全土で造られ、使われる品種も地区によって異なります。我が日本でも新酒は造られていて、ヨーロッパのように特に法律で定めた解禁日はありませんが、山梨県では、甲州種とマスカットベリーA種を使った新酒の販売には、 毎年11月3日 の解禁日を設けています。イタリアよりも日本の方が少しだけ早いですね!

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