LESSON#058
ワインをもっと美味しくする「香り」の知識
色合いや味わいなど、ワインのテイスティングコメントには情報がいっぱい。中でも「香り」の表現は要注目!香りを知れば、ぶどうの品種やワインの醸造方法、熟成具合を推測することもできます。ワインの世界が広がりますよ。

講師:磧本修二先生
伝統あるワイン・レストランのオーナーソムリエ。ワインに関する知識はもちろん、食の知識も豊富。
「奥深いワインの世界をわかりやすくご紹介します」。
ワインの香りを表現するキーワードは?
覚えておきたい!「アロマ」と「ブーケ」
アロマはぶどうそのものの香りや発酵中に生まれる香りなのに対し、ブーケはワインを熟成させることによって生まれる香りのこと。その発達段階で次の3種類に分けられます。
第1アロマ

ぶどうそのものが持っている果実と花の香りをこう呼びます。一般的にはワインが若いうちに現れるぶどう品種の香りで、これが発酵過程で徐々に変化していきます。
第2アロマ

ワイナリーで行われる発酵や醸造過程により発生する香り。よく言われる樽のオークから生まれる香りのほか、澱との接触で生まれる香りがあります。
第3アロマ

熟成過程で生まれる複雑な香り。オーク樽での長期熟成から生まれる酸化による香りのほか、瓶内熟成 による還元によって生まれる香りもあります。このアロマは特別にブーケとも呼ばれます。

それぞれのぶどう果実が持っている香りが、
第1アロマ(プライマリー・アロマ)
ぶどうが本来持っている香りは、果実や花などで表現されることが多くあります。ぶどうの品種によって、独特な香りが強く出るものもあり、例えば南仏の白ワイン品種ヴィオニエは甘いジャスミン等の香りがします。また涼しい地域の黒ぶどう カベルネ・ソーヴィニヨンにはピーマンのような青苦いピリッとした香りが出ることがあります。


ワイナリーでの発酵や醸造からくる香りが、
第2のアロマ(セカンダリー・アロマ)

発酵や醸造過程により発生する香りは実に多彩です。樽発酵による杏仁豆腐やカスタード、キャンディなどの香り。ほかにも醸造段階で生じるナッツやバターの香り、澱との接触で生まれる酵母やクリーム、ビスケットのような香りもあります。
●シュール・リー製法による香り
ぶどうを発酵させた後、澱(酵母)と接触させる白ワインの醸造法。パンの香りやチーズ、バターなどクリーミーな香りが生まれます。

●マセラシオン・カルボニック製法による香り
ぶどうを破砕せずに造る赤ワインの醸造法。ボジョレー・ヌーヴォーのフレッシュでフルーティな味わいと、特長的な香りはこの製法から生まれます。

長期熟成からくる複雑な香りが、
第3のアロマ(ターシャリー・アロマ)
瓶熟成
還元的熟成
による香り
瓶内で生成される香ばしいブーケ。赤ワインは腐葉土、なめし皮、きのこ。白ワインはナッツ、カフェオレのような香りが現れます。

樽熟成
酸化的熟成
による香り
木目は通気性があるため、ワインと酸素が反応し熟成されます。その結果現れるのが、トースト、スモーク、カカオなどの香りです。


主原料のナラ材は期間熟成向きで、骨格がしっかりした味わいをもたらします。

主原料のホワイトオークは香りが強く、バニラやココナッツの甘い香りを生みます。

「ワインが目覚める」
スワリングして香りを楽しもう!
スワリングはなぜするの?
ワインは栓を抜いたばかりより、時間が経過したほうが美味しく感じられることがあります。
スワリングは、ワインを空気に触れさせることで、香りを引き出し、味わいをマイルドにするための動作です。

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