ワインの知識エトセトラ
コルクを抜く時にいつも失敗してしまうという方は…
原因のひとつが、コルクの乾燥。ワインを開ける前に1時間程ボトルを横にしておくと、コルクが適度に湿って抜けやすくなりますよ。また、コルクスクリューが垂直に入っていなかったり、栓抜の力が垂直方向に加わっていないためスムーズに抜けないこともありますから、注意しましょうね。
栓を開けるのに自信がない方は、ダブルハンドルやスクリュープル型のオープナーが簡単なのでおすすめです。運悪くコルクが中に落ちた場合には、デキャンタに移し替えたり、茶漉しを利用したりするとよいですよ。
ヴィンテージワインはいつの間にか量が少なくなる!?
長い熟成を経たワインでは、ワインの量が年月とともに少しずつ目減りする場合があるんですよ。決してボトリングの量を間違えているわけではないんですよ(笑)。
ワインはコルクで密閉されていて外気を遮断していますので、ワインが外気と呼吸することはまずないと最近では言われています。でも酸素分子の半分ほどの大きさである水の分子は、年を経て弾力を失ったコルクの隙間を、時間をかけてすり抜けて蒸発しているんです。また、ワイン自体も徐々にですがコルクに染み込んでいきます。こうしてワインの量がごくわずかずつ目減りしていくんです。
目減りの量はワインの保存環境やコルクの質によって異なるので、オールドヴィンテージの状態をチェックする基準のひとつともなっています。
1.ハイ・フィル(HF)
瓶詰め時のワイン充填レベルです。比較的若いワインの場合多くみられます。10年以上経過したワインがこの液面レベルであれば極上品といえます。
2.イントゥ・ネック(IN)
熟成年数によらず、理想的な液面レベルです。10年以上経過したワインがこの液面レベルであれば特上品といえます。
3.トップ・ショルダー(TS)
15年以上またはそれ以上経過した赤ワインに見られる液面レベルです。
4.ミッド・ショルダー(MS)
30年以上経過した赤ワインに見られる液面レベルです。
ワインを美味しくするデキャンタージュとスワリング
栓を抜いた直後より、時間が少し経ったワインの方が美味しかったという体験は、多くの方がお持ちかと思います。あれは、ボトルの中で眠っていたワインが、“空気と触れることによて目覚めた”からなんですね。ご家庭でも、ワインを目覚めさせて、より美味しく味わってみてはいかがですか?デキャンタがあれば理想ですが、ない場合はグラスをくるくる回して、ワインを空気と触れさせてみてくださいね。ちなみに、グラスを回すことをスワリングというんですよ。
開けてしまったワイン残っている場合はどうしよう?
スパークリングワインに対応したものもあります。とは言っても、開けたての状態を保てるわけではないですから、半月くらいまでには飲み切りましょうね。
ちなみに、フランスでは、コルクにマッチを刺して火をつけ、そのまま栓をする方法があります。ボトル内の空気を使い切って酸化を防ごうというわけですね。でも、燃えさしが落ちないか心配ですね。またイタリアでは、ワインにオリーブオイルを1滴たらして膜を作り、飲む時にオイルを布に吸わせたいもするんですよ。
ワインは冷蔵庫に入れてはいけない?
ご家庭でのワインの保存はワインセラーがあると安心ですが、ない場合は、ボトルを新聞紙に包んで、比較的温度変化の少ない床下の収納庫や押入に寝かせておくといいですよ。
また、ワインを冷やす際は、飲む1時間程前に冷蔵庫に入れてくださいね。ワインクーラーに入れて冷やすのもいいですね。見た目がおしゃれで、しかもコルクも湿って開けやすくなるので、一石二鳥です。
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