LESSON#052
1度は飲みたい&知っておきたい
世界の最高峰ワイン
ワイン好きなら誰しも1度は飲んでみたい憧れの“最高峰ワイン”があるはずです。たとえば、ロマネ・コンティ。その名前は皆さんご存知でしょうが、なぜこのワインが最高峰に君臨し、あるいは驚くような高値で取引されるのかは知っていますか?
世界の最高峰ワイン。今回はその魅力と秘密に迫ります!
ロマネ・コンティ、5大シャトーはなぜ高額なの?
世界一高額なワインとも言われるロマネ・コンティ。その平均価格は、現在日本円にして軽く1本200万円を超えると言われています。
実はロマネ・コンティの畑の大きさは、たったの1.81ヘクタール。しかも徹底的に収量制限や選果がされ、生産本数は年間わずか6000本前後※なのです。爆発的なまでに官能的と言われ、世界で最も知られるワインにして圧倒的な希少性。しかも、最高峰のワインは歳月を経て熟成します。仮に市場に存在しても、飲み頃を迎える頃にはさらに入手困難、かつより高い市場価格となるわけです。
また、ボルドーにはプリムールというワインの先行予約制度があります。秋に樽詰めされたワインはまだ熟成中にもかかわらず、4月には試飲会が開催されます。これに世界からワイン関係者が集まって、熟成の途中でありながら、将来の出来栄えを予測し評価と価格を決めてゆくのです。
※ちなみにシャトー・マルゴーの生産数は年間約35万本
シンデレラワインって誰が決めるの?
それまで無名に近かったワインがある日突然脚光を浴び、非常に高値で取引されるようになる。一夜にして運命が変わるシンデレラのようなストーリーから、そう呼ばれるのが〝シンデレラワイン〞です。
中でも元祖シンデレラワインと言われるのが、フランス・ボルドー右岸ポムロール地区のシャトー・ル・パン。1979年がファースト・ヴィンテージ。生産量年間約7000本と小さなシャトーでしたが、1982年にパーカーポイントで100点満点を獲得。一躍世界中から注目されると、あっという間に市場から姿を消し、価格も高騰しました。
甘口や白ワインの最高峰は?
最高峰ワインを語るなら甘口ワインも見逃せません。その頂点とも言われるのがシャトー・ディケム。〝飲む黄金〞とも称され、1885年ボルドーの格付け以来、ソーテルヌ地区・プルミエ・グラン・クリュに輝く貴腐ワインです。品質基準が厳格で不作の年は生産されず、100年を軽く超す偉大な熟成を見せます。
一方、辛口白ワインとして最も偉大と称されるのがモンラッシェです。フランス・ブルゴーニュ、わずか7.8ヘクタールの特級畑から生み出され、凝縮感ある長期熟成タイプ。『三銃士』などで有名な文豪デュマが「脱帽し、跪いて飲むべし」と称賛したことでも知られています。
カルトワインってどんなワイン?
ボルドー右岸を舞台に登場したのがシンデレラワインなら、ナパ・ヴァレーを中心にカリフォルニアで誕生したのがカルトワインです。高品質で高級であるとともに、やはり生産量がとても少なく、特別な顧客しか入手困難な〝超レア〞なワイン。購入を希望するメーリングリストには著名人の名前が並びます。
代表的なものをいくつかあげると、ハーラン・エステート、スクリーミング・イーグル、コルギン……。登場当初からパーカーポイント満点を何度も叩き出すなどして話題を集め、いわばアメリカンドリームを達成したワインたちです。
ほかにも見逃せないスーパーワインってありますか?
世界にはまだまだ各地に最高峰のスーパーワインがあります。まずはイタリアの〝スーパートスカーナ〞。代表はイタリア・トスカーナ州の無名の地、ボルゲリ地区で生まれたサッシカイア。それまでの常識を逸脱し、カベルネで造られたそのワインは有名ワイン雑誌のブラインド・テイスティングでシャトー・マルゴーを抑え、一躍世界に知られます。
オーストラリアの最高峰といえばペンフォールズ社のグランジ。それまでの既成概念を超え、同国一高価で長期熟成が可能なワインとして名声を確立。
スペインの至宝と言われるのがウニコ。良年だけしか生産されず、10年もの熟成を経てリリースされる希少なワインです。
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